東久留米日記

時事メモやオモチャと文房具のリサイクルとかごみ収集の話とか

男女平等推進センター

読書会って一体何なのだ。

「読書会」とはこういうものだという確固たる経験なり定義なりがあれば、それに合致するかどうかで、いい読書会だったとかそうでもない読書会だったとか言えるのだろうが、私が東久留米市で初めて参加してみた読書会は、昨年、中央図書館ホールで行われた「体脂肪計タニタ食堂の本」についての読書会だった。

いくら売れているといっても、料理のレシピ本はどう考えても、読書会の本じゃないと思うが、ためしに参加してみた。参加者は平日の昼間に20名弱くらいだったか、1回目だったそうで、まずまず盛況の部類に入ると思うが、これからも参加しようとは思わなかった。すいません。

男女平等推進センターでも昨年から読書会を行っている。こんな感じ。

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「ブックる ぶっくル」読書会〜男女平等推進センター主催

 「最近は読書会が大人気です。コミュニケーションスキル向上のツールにもなっています。そこで、男女平等推進センターでも「ブックる ぶっくル」という名の、本が大好きな方のための講座を2カ月に1回開催しています。大好きな本を通して、自分の思いや考えを人に伝えてみませんか。市立図書館職員によるブックトークもあります。」
  ※同センター所蔵の図書も貸し出しています(一人2冊まで)。
【日時】 年 月 日( )
【会場】 男女平等推進センター会議室
【定員】 先着10人
【参加費】 無料
【持ち物】 「・・・・・(毎回違う)」をテーマにしたあなたのお薦めの本 ※本を持参できない場合は、タイトルと著者が分かるものを持参してください。
(昼間開催の場合は保育もあり)

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行ってみた。
アンケートに満足度の欄があり、0%から100%まで10コの空欄があり、丸をつけるようになっていたので、20%のところに○を付けてきた。

たぶん自分の期待する方向が、主催者のそれとズレているから20%なので、アンケートを集計した方が、こんな参加者を気にしたら申し訳ない。

いや、でもしかし、前日にセンターに、定員にまだ余裕がありますかと聞いて申し込むと、申込者は3人だった。3人だよ3人(自分以外に)。
当日行ってみると、赤ちゃん連れの女性1名、若い女性1名、自分よりも御年配の女性1名だった。そのなかの若い女性1名は、どうも市の別の部署の職員が研修とかで参加したような感じがしたが、どうなんでしょう。(活字が苦手と言う方が読書会に来ますかフツー。コンビニに売ってるような以下略)順番に持参の本のブックトークをし、図書館の職員がボランティアでまとめ役として(?)司会進行し、6人分くらいの本か、10冊くらい(10人の定員に足りなかった分かな)を一人でブックトークした。

休憩を挟み、各人が集まった本の中から、これから読んでみたい本を選んで発表した。終わり。

ブックトークってこういうものなのかな。

「なにか」違うんじゃないかと思った。

少なくとも湯浅誠の「どんとこい貧困」は「読めば貧困が怖くなくなる」という本ではないように思う。

これから「どんとこい貧困」を読んで貧困が怖くなくなりたい、と言った年配の方は何か誤解して帰ったんじゃないか。
そういう諸々を話す=ブックトークするところなんじゃなかったのか、読書会って。ブックトークってちがうのか。「ブックトーク」は一方的な本の紹介の場であり、双方向的なコミュニケーションの場ではないと捉えたほうがいいのか(皮肉ではないです)。

私は市内でのリアル読書会の経験は数えるほどもないが、ネットでの、たとえば京極堂のファンの掲示板では、小説の内容について疑問に答えてもらったり、自分も答えたりして、いろんな気づきがあったり、逆に感心されたりしたこともある。コアなファンの集まりだった。「同じ言葉を話す人」の会話があった。

(はっ、そうか、ネットのあれは「読書会」ではなく「読者会」だったのか)

(大学のゼミの読書会は皆で同じ本を読んで、誰かがレジメを用意して…というものだ)

たぶん「読書会」なるものに対して、自分の期待とか志向が少なからず、ずれていると思う。
また、地元で開かれる読書会なんだから、何かプラスワンがあってしかるべきじゃないかという志向が自分にあるのに気が付いた。(多分家族に聞けば、「絶対に絶対に、お母さん(私)のほうがズレている」という判定が下されるのは間違いない)

自分の持ってきた本に関するトークについて言えば、お互いに質疑応答するような時間は設けられてなかった。そうか、これはビブリオバトル(書評合戦)じゃないから言いっぱなしなのか。

フツウの参加者は、ほかの参加者とお友達になりたくて参加するわけでもない。そういう趣旨の読書会ではない。主催者は軽く本を紹介して、参加者は自分の好きな本について少しスピーチし、知らなかった本を知り、ちょっと気晴らしして帰ってくるための催しだろう。>いいんじゃないかそれで>何を悩むんだ自分

私が持っていったのは河合隼雄「猫だましい」と内田樹「日本辺境論」だった。