東久留米日記

時事メモやオモチャと文房具のリサイクルとかごみ収集の話とか

「父親のいる母子家庭」

ネットの動画サイトで味の素のCMを初めて見た。
先に以下のようなツイートに興味を引かれたので見てみたので、それなりにバイアスがかかった見方をして見たとも言えるが、CMがどういう世界観に基づいているのか、どういうメッセージ性を持つかということがやはり私は気になる。

↓↓↓こちらのツイッターを読んで動画にアップされてるCMを見て、驚いた。
「わたし作る人 ぼく食べる人」の時代から変わってないんかいっ
https://t.co/rTu9xDmQXc

CMはhttp://t.co/Q0su5WVuuR
これを見て、「父親のいる母子家庭」という言葉が浮かんだ。

この言葉は今はない育児雑誌プチタンファン(※)の投稿欄で目にした言葉で、子育て中の専業主婦が訴えた言葉だった。
「夫は朝から夜遅くまで会社で、休日も家事育児を手伝ってくれず、まるで我が家は父親のいる母子家庭だ」という嘆きの投稿を読者欄で見かけた。

それに対して「あなたは実際の母子家庭がどんなに大変なものかわかっちゃいない」という投稿があり、そこでギロンは終わったような気がした。

味の素のCMを見て、これは本当に「父親のいる母子家庭」じゃないかと思った。専業主婦だった女性=妻が夫と同じように出勤して会社で働いて帰って家事育児をするような世界に変わったが、プチタンファンで20年くらいまえに聞いた専業主婦の呟きと夫=父親の常態と状況がまるで変わっていないことに驚いた。

まさか実際の夫婦共働きが皆一様にこうであるとか思うわけではない。

が、社会通念として好ましい夫婦や父親、母親としての期待される役割、ロールプレイの表象としてのCMを思えば、いまだにこれがアタリマエに肯定されているのかと考えこまざるを得ない。

CMで描かれるのは、それが常態であることを肯定することと、これからも家事と育児と仕事に頑張ってください(お母さん一人で)、そういうお母さんを味の素はこれからも応援しますというメッセージだ。CM制作会社も味の素株式会社も「そういう家庭」の状況を疑ってないということだろう。

家事も仕事も育児も一生懸命頑張る女性を健気だと思うことと、その背景を肯定するかどうかは別の話なんである。動画にイイネをつけた人は頑張るヒロイン(お母さん)にフォーカスしたのではなかろうか。

父親は朝食時もソファーでノーパソをいじっていて、子どもと食卓をともにすらしない。
父親が登場するのはこのノーパソをいじってる遠景と、子どもに服を着替えさせる場面に少しと、最初にお母さんが跳ね起きる場面で隣に寝てるところが一瞬映るだけだ。


男女共同参画社会なんてうそだろ、と思った。


※プチタンファンに「良いおっぱい悪いオッパイ」の伊藤比呂美田島みるく「あたし天使あなた悪魔」、「ママぽよ」などの連載があった頃。



■味の素のCM について、意見書いて送信しました。
ここへ→https://t.co/RsNsAH9KuR
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ビジネスマンとして働くお母さんが子育ても家事も仕事も頑張るコマーシャルはみなおしていただけませんか。
私はテレビをあまり見ないので、今どきこんなCMがあることをツイッターで知って愕然としました。
父親の不在もひどいです。男女共同参画社会って嘘だよねと思いました。
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↑これだけでは分かりにくいとあとから反省。

女性に「仕事と家事と育児をいかに両立するか」と課せられても、男性に同じことが問われる社会にならない限り、女性が輝く社会でなく女性を使い倒す社会であり、男性も同様では。

備考 保育園にお弁当はない。給食棟を備えなければならない保育園は厚生労働省で、幼稚園はお弁当または外部に委託した給食などで文部科学省の管轄。CMはお弁当だから保育園ではなく幼稚園で、幼稚園の延長保育で夕方まで預かってもらってるのかも。


■ニュース
韓国政府が運営するソウルの「戦争記念館」で12日から予定されていた日本の人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」の展示会が、旭日旗に似たデザインが原作に登場することを理由に、取りやめになったことが10日分かった。
↑↑すごく残念です。
↑↑追記 一転して実施されたそうでよかったです。関係者の皆さま有難うございます。